シミズの人生とかナンパとか

人生とか、ナンパとか

東京ラブストーリーを観て

 

※ネタバレあり 

 

放送は1991年。
俺が1歳のときに放送されたドラマ。
芸人の山本高広のモノマネによってタイトルだけは知っていたが内容は一切知らなかった。で、観終わって・・・
なんだか後味の悪い結末にモヤモヤした・・・というのが率直な感想。

ざっくりとあらすじを。
愛媛から東京のハートスポーツという会社(スポーツ用品のメーカー)に中途入社をした完治は、同じ会社で働くリカという天真爛漫な女性に好意を寄せられる。(リカ役の鈴木保奈美、ほんっとに可愛い!!!)
一方の完治は先に東京に来ていた幼馴染の三上(医学生の男)と関口(保育園に勤める女)と出会う。
完治は昔から関口のことが好きだった。
しかし三上と関口が付き合うようになり、完治もリカと付き合う。
三上は女たらしで関口を泣かせ、そんな関口に今でも行為を寄せる完治はリカに真っすぐな愛を注げない。そしてリカはそれを知りつつも、完治に全身全霊で愛をぶつけていく。

リカは完治をこんなにも愛しているのにも関わらず、完治はいつもスカしたような素振りでいる。
リカとの約束も関口と会いに行ってすっぽかしたり、三上がなぜか完治に電話してきて「関口を抱いたよ」とベッドの上から報告すると落ち込みまくってリカを雑に扱ったり、、、
好きだった人と親友が付き合ってて、だけどその親友が好きだった女を泣かせている。
確かにそれは完治にとって辛いのかもしれないが、今お前が向き合うべき相手はリカだろ!リカはお前だけを見ててくれているんだぞ!

関口は関口で清純な女を気取りながら、やっていることは小汚い。
完治に彼女がいると知っていながら完治に電話を掛けてきたりやたら干渉してくる。お前のその行動が間接的にリカを傷つけているんだぞ!
すっっっっっこんでろい!!!

毎週毎週、リカは切ない表情を見せる。
普段は努めて明るく振る舞っているだけに、見ていて余計に悲しくなる。
リカばっかりが損な役割じゃないか。
スト2話前からは更に完治への憎しみが加速していく。

三上と関口は別れており、関口は完全に完治に思いを寄せていた。
そして完治とリカも別れてはいないものの、関係は破綻していた。
その理由も酷いものでリカに言わずに二人きりで関口と会っていたのがリカにバレたからだった。
そんな折、リカにロス転勤の話が舞い込む。
リカは過去に(明言はされていないが完治と出会う前)海外への異動希望を出していた。
しかしリカは完治と離れたくない。完治に「行くな」と言ってほしい。
そう内心で願いながら完治に転勤話を報告すると完治は「行きたければ行けば」と曖昧な返事。
リカは完全に失望してしまう。
すれ違いが数日続いた後のある晩、完治はリカに電話を掛ける。
「話がしたいから会わないか」
リカは「1秒でも遅れたら遅刻だからね」と強がる。
2人は9時に待ち合わせをする。
リカは家を出るときに完治に会える嬉しさからかスキップをするが、ふと我に返り、気持ちと笑顔を押し殺して待ち合わせ場所まで行く。
時間より早く着いたリカはひとり待ち続ける。場面は変わって完治。
家を出ようとした矢先にインターホンが鳴り、関口が現れた。
何故か完治は一旦、関口を家に入れる。
(んなにしてんのバカかよ、早く行けよ!時間ねぇだろ!!)
完治は関口に「行かなくちゃ」と言って家をでようとしたところ関口が「行かないで」とまさかの公然略奪宣言。戸惑う完治。
(いやおい!ウソだろ!)
そしてリカのシーンになり、時計の秒針が9時を越えたとき・・・・
完治は来なかった。

俺はこの瞬間、完治に対して抱いていた僅かな同情すらも木っ端みじんに散って、最低最悪なクズ野郎としか見れなくなった。
自分からこぎ着けた約束をテメーの都合でぶっちぎって、他の女を選ぶ。
散々、三上に悪態をついていたが、お前は三上以下の糞野郎だよ。

リカは尚も待ち続ける。公衆電話を見つめるが、電話は掛けず、ただただ待つ。
時計は23時半。リカは諦めてトボトボと家に帰る。

その後、リカはロス転勤を決めるも、直前になって失踪。
完治はリカを探しに行く。
しかし思い出の公園にも歩道橋にもリカの姿は見当たらない。
ふと、リカが前に愛媛に行きたがっていたことを思い出し、完治は愛媛に行く。
完治は愛媛に行く直前、わざわざ関口の家に行きそのことを報告する。
「関口には言わなきゃと思って」

はあああああああああああ!?
リカには何も言わないくせに関口には言うのかよ!

愛媛でもやはりリカは見当たらず、最後に行きついたのは学校のグラウンド。
完治はサッカーのゴールに向かってボールを蹴ると、もう一つボールが飛んできた。
リカだった。

どうやらリカはロスに行く前に大好きな完治の生まれ故郷を見たかったらしい。完治は戸惑いながらもリカと生まれ故郷を歩く。
海岸沿いのシーン。リカは完治に言う。
「駅で待ってる。さっき時刻表みたら4:48の電車があったからさ、あと1時間。それまでに気が変わったら来て」
そういってリカは去り、完治は悩む。悩んだ果てに完治は走る。
なんとか電車に間に合いリカを探すも、見当たらない。
駅員に聞くとひとつ前の電車に乗ったとのこと。
駅のガードレールにリカのハンカチが結ばれており、そこには〈バイバイ、カンチ〉と書かれていた。
そしてリカはロスに旅立った。

電車の中、リカが泣いていた。
もう嫌だ、これ以上リカの泣くところを見たくない。
切なすぎるよ・・・

時は流れ3年後、完治はバリバリ働いていた。
その姿は以前よりも大人びていた。
上司から聞かされた話によるとリカはロス支社を半年で辞めてしまい、その後行方が分からないらしい。
完治は関口と三上の結婚式へ行ったその帰り道、偶然リカと出会う。
リカが二人の薬指の指輪に気づくと、完治は「俺達、結婚したんだ」と言う。
完治とリカが2人になり、完治はリカの近況を聞くも「教えなーい」とリカは言う。
リカは完治を名字の「長尾君」と呼ぶ。
電話番号も食事の誘いも、リカは全て拒否する。

最後、2人お別れのシーン。
リカの「せーので後ろ向こっ」の言葉通り2人は合図と共に後ろに歩き出す。
少し歩いて完治は振り返る。しかしリカは背を向けて歩いている。
それを見て完治が再び歩き出すと今度はリカが足を止め振り返る。
「カーンチ!」
振り返った完治に笑顔で手を振る。
完治は複雑な表情で手を振る。
そしてリカがビルの屋上から東京を見下ろすシーンでドラマは終わる。

当時の人はこれを観てどう思ったんだろう。
多分俺だけじゃなく多くの人がスッキリしない結末だろう。
だってあまりにもリカが可哀想すぎる。
人を一途に愛しても報われない、そんな悲しい話があるかよ。
フィクションと分かっていながらも、完治と関口には心の底から腹が立つし、やるせなくなる。でもだからこそ、心にわだかまりが残る作品だからこそ名作なのかもしれない。
もう25年前の作品で今とは時代が明かに違う。
だけど物語は全然、色褪せていない。

「楽しいことあったの?キーボード打つ手がサンバのリズムになってる」
「ノックしたけど完治、返事がないの。それでもまだ頑張らなきゃダメかな?」
「誰もいないから寂しいんじゃない、誰かがいないから寂しいんだよ」
挙げたらキリがないほどの名言の数々も聞いていて楽しい。

今だからこそ観るべき傑作。
俺もスマホの無い時代に生きて恋をしたかった。