底辺人間シミズの毎日

28歳高卒でフリーターの終わってるクソ人生を淡々と綴るブログ

バイト先の社員のリタイア

ある日、職場に行くと社員であるタケウチさんが1ケ月休むということを上司から告げられた。
理由は教えてくれなかったが俺には心当たりがあった。

タケウチさんは俺には心を開いていてくれたようで仕事の愚痴やらを頻繁に聞いていた。
タケウチさんのそんなところはナメられやすいというところで、職場ではすっかりのび太キャラが定着していた。
実際は、確かにドジでミスもしているが仕事にはひた向きだし、真面目に取り組んでいる。
なにもミスを起こしているのはタケウチさんだけじゃないし、非難されるべき人は他にもいるのに、キャラのせいで過度に責め立てられることもあった。

負の部分だけをキャプチャされる、かわいそうな役割だと思う。
残念ながら、天性のナメられやすさを持つ人は一定数いる。
俺はそれを話しやすい人柄と捉えているし、俺自身は気難しそうで話しかけにくいという真逆の人柄なので、少し羨ましいときもあるのだが、当の本人らはやはりキツイだろう。

タケウチさんが店長に叱責されているのを何度か目撃したことがある。
それはバックヤード全体に響きわたり、説教というよりは恫喝に近いものであった。
あれで心が折れない人はいないだろう。
タケウチさんは泣いていた。

職場でタケウチさんの悩みや愚痴を聞いてくれる人はいなかったように思う。
毒抜きができないまま、疲れ切った心に疲労が溜まって精神が不安定になってしまったのではないか。
自分もそうなったことがあるのでよくわかる。

今回の件の明確な理由は分からない。全然予想だにしていなかったことかもしれない。
もしストレスだと仮定するのであれば1ケ月後に戻ってくるとは思えない。俺もかつてレールからドロップアウトしたときにちょっと休むだけのはずが、戻れなくなってしまった。
落ちたときに這い上がるのは強靭な精神力がいるものだ。
逆に戻ってこないことが良い場合もある。違う人生で自分の道を見つけられることだってある。

タケウチさんはもしかしたら営業や接客業は向いていないかもしれない。
この1ケ月感で腐らずに何が自分に向いていて何が自分に向いていないのか、自分は何がやりたくてどんな人間になりたいのか。
俺みたいに手遅れになる前にしっかりと考えて、自分を見つけてほしい。

 

―――――――――――――――追記―――――――――――――――――――――

もしかしたら知っているかもしれないと思って先輩バイトのスギさんにタケウチさんが急にこなくなった訳を聞いたら、鬱になったと上司のFさんから聞いたとのこと。
Fさん俺には教えてくれなかったのに・・・

鬱の原因は恐らく・・・というか間違いなく店長による恫喝だろう。
他の社員と比べても店長からのタケウチへのアタリは特に強かった。
あれで心が折れない方がおかしい。

スギさんによると今の店長になってから鬱になった人が沢山いるらしい。
確かに暴言や恫喝で人に圧を掛けるやり方なので必然的にそうなるだろう。
俺ならボイスレコーダーで録音して労基なり弁護士なりに訴えるな。
店長は人を壊したことに何も思わないのだろうか。
人の人生より数字の方が大事なのだろうか。
思わないだろうな。弱い奴が悪いという思考だろう。
現に他のスタッフは今も尚、恫喝されている。

俺の父親が正に圧力で人を支配しようとする人間だったのでよく分かるが、力で人を支配することはできない。